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【電力】

今年、広東は改革開放以来最悪の電力不足に (08/02/29)
2008/2/29
中国【電力】

 広東省経済貿易委員会の李向明副主任は28日、広東は今年、改革開放以来最悪の電力不足に見舞われると表明した。電力不足は最大1,200万kWに達する恐れもある。

 広東省経済貿易委員会は旧正月休み明けの頃に、今年の電力不足は最大800万kWになると予想していたが、程なくして南方電網はその数値を950〜1,050万kWに上方修正した。しかし、1月期に発生した最大電力不足は700万kWを超え、3月期には1,200万kWになる恐れもある。

 広東の電力不足は2003年から顕著になり始めた。2005年の電力不足は600万kWを突破して最大626万kWに達し、10年来で最も深刻であると言われた。しかし、最新予想データによると、今年の広東の電力不足は2005年の記録を更新して過去最高になるだけでなく、「広東が改革開放以来直面する最悪の電力不足」になる。

 珠江デルタの主なメーカーはすでに緊急ピークシフト対策を発動させている。一部地区では、1週間のうち4日操業して3日休業する企業も出現し始めた。2月18日に広州の電力不足は100万kWに上昇し、全市のエネルギー多消費企業や重度汚染企業はすべて稼働を停止させられた。また、東莞市では、工業用に対して「4日操業・3日休業」が適用された。東莞市は3月の同市の電力不足は最大300万kWになると予想している。

 広東が今年、深刻な電力不足に直面するのには、次のような原因が考えられる。

 (1) 直接的な原因は、中国南部地区の大雪災害である。凍結による電力施設の被害は、もともと深刻だった電力供給をますます悪化させた。

 (2) 2007年に広東は小型火力発電を300万kW閉鎖した。2008年は380万kWの閉鎖を計画している。これも広東に電力の逼迫をもたらす原因になる。

 (3) 電力系統の建設が十分進んでいない。近年、電力系統、特に変電所の建設に対する一部農村の抵抗は極めて大きくなっており、村民が地方政府に対して過大な補償を求めて紛糾する例もある。

 (4) 根本的な問題として、新規設備容量の増加ペースが経済成長のペースに追いついていないことがある。2007年の広東省のGDP成長率は14.5%に達し、9%としていた当初の予想をはるかに上回った。また、2007年の広東の電力使用量は13%増加した。

 (中国電力網 2月29日)