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中国
【石油・天然ガス】

内外の石油メジャーが山東省の地方製油企業に虎視眈々 (08/03/03)
2008/3/5
中国【石油・天然ガス】

 山東省には地方製油企業が最も多く、同省の地方製油企業の統廃合は石油業界から注目されている。中国海洋石油(CNOOC)、中国石油化工(SINOPEC)が山東省の地方製油企業の統合に意欲を示す一方、中国石油天然ガス集団(CNPC)や外資も虎視眈々と狙っている。山東煉油化工協会の劉愛英女史にその辺の事情を聞いた。

 山東は国有石油集団による山東地方製油企業の統合を歓迎するとともに、外資との提携にも期待を寄せている。国外の石油企業の資金や石油供給源は、中国における石油製品生産とより高い価値の創造を求めているが、現行の政策の下では中国企業との提携から始めるしかない。しかし、外資にとって石油3大手と提携する可能性は小さく、地方製油企業との提携こそが最良の選択になる。外資が、技術、資金、原料の面で山東の地方製油企業と協力を展開することは、投資のリスクを引き下げるだけでなく、高い回収率も期待できる。

 一方、山東の地方製油企業は深刻な石油供給源の逼迫にさらされている。地方製油企業の獲得できる原油割当では生産に必要な分を賄うことが出来ず、プラントの稼働率は十分でない。また、地方製油企業は、原油輸入の資格がないため、輸入原油を精製することも出来ない。また、生産した石油製品を独自に販売するネットワークもない。つまり、原油供給と石油製品販売のいずれもが行き詰っている。

 こうした状況にあって、CNOOCとSINOPECの介入は地方製油企業の行方を大きく左右することになる。CNOOCは今年初めに山東省及び東営市と戦略提携枠組に関する合意文書に調印し、地方製油企業の統廃合で提携を深化させることになった。また、SINOPECは先月、山東省燃料協会を発足させたが、これは山東の製油企業の統廃合を準備する一環であると言われている。

 但し、多くの地方製油企業関係者は、石油大手が原油を提供するだけなのか、それとも全面的に経営権を掌握するのか、一体どのような統廃合の形式になるのかについて懸念している。また、地方製油企業の課税や管理をどうするのか、検討すべき問題は多い。

 (中国能源網 3月3日)