国家能源局が2月17日に公布した《2017年エネルギー工作指導意見》は2017年の石炭生産能力退出目標を5,000万トンに確定した。2016年の退出目標に比べて80%下がる。
「石炭生産能力の余剰は一定のものであり、脱生産能力の年間目標については毎年極めて高い水準を維持するわけでない」と、指導意見を起草した国家能源局規画司の何勇健副司長は2月18日、財新網の記者の取材に対して表明した。全国の石炭総生産能力は50億トン余りに上り、2016年は3億トンの脱生産能力を達成した。2017年も引き続き市場化と法治化の手段によって石炭の生産能力過剰の解消を進める。500ヵ所以上の炭鉱を閉鎖し、約5,000万トンの生産能力退出を目指す。
1月23日に中国煤炭工業協会の姜智敏副会長が明かにしたところでは、2016年に解消した石炭生産能力は約3億トンであり、2017年の脱生産能力目標が2016年の目標を下回ることは間違いないが、2017年の脱生産能力任務はさらに困難を増す。第1に、2016年に脱生産能力の対象になった炭鉱の一部はすでに生産停止状態にあったか半停止状態にあり、脱生産能力の任務を達成するのは相対的に容易であったが、2017年の脱生産能力は主に正常な生産を行っている炭鉱が対象になり、配置転換を要する人員も2016年に比べて少なくなることはあり得ない。第2に、2016年の脱生産能力過程において、臨時労働者の解雇や配置換え等の方式によって人員の配置転換問題を解決したが、企業内部で冗員を吸収する余地はすでに極めて小さくなっており、そのため、2017年の冗員の配置転換が難題になる。
注目すべきは、国家能源局が《2017年エネルギー工作指導意見》の中で2017年の石炭総生産量の目標を36.5億トン前後に設定している点である。つまり、2017年の石炭総生産量は前年比5.8%のプラスを実現することになり、3年間続いた生産量のマイナス局面は終了した。
中国煤炭工業協会の基本推計によると、2016年の全国原炭総生産量は34.5億トン、前年比7.9%減になった。過去のデータを見ると、2013年に全国原炭生産量はピークの39.74億トンに達したが、その後、需要の低減によって生産量は年々低下し、2014年の生産量はマイナス2.52%、2015年はマイナス3.28%になった。
石炭産業のベテラン専門家は財新網の取材に対し、業界では2017年の原炭生産量がプラス成長を実現するとの予想が広がっているが、その主な理由は2016年の生産量の減少幅が大きすぎたからであると指摘した。
2016年2月、国務院は《石炭産業の過剰生産能力解消と脱困難並びに発展の実現に関する意見》を通達し、石炭産業の脱生産能力の序幕が開かれた。同意見書は3〜5年間で石炭生産能力5億トンを退出させるとともに、再編によって5億トン減らすことを求めていた。同時に減産措置も発表し、全国の全ての炭鉱に対し年間操業日数276日に基づいて生産を行うよう求めた。これは年間操業日数330日に基づく生産量に比べると16%の引き下げに相当する。
この生産制限政策は2016年3月から施行され、全国の石炭供給量は大幅に下がり、2016年4〜10月の各月の原炭生産量の減少幅はいずれも10%を超えた。しかしながら、需要側を見ると、2016年の全国石炭消費量は前年比1.3%のマイナスに止まり、そのため、需給バランスは失調し、2016年下半期には石炭価格の急騰が続いた。2016年末の秦皇島5500キロカロリー一般炭価格は639元/トンに達し、年初の269元/トンに比べ72.7%上昇した。
2016年11月16日、国家発展改革委員会は、安全生産条件を備える全ての合法炭鉱に対し、2017年春の暖房期間終了まで操業日数330日に基づいて生産を行うことを許可し、生産制限政策を一時的に停止した。
2017年2月中旬に消息筋が明らかにしたところでは、国家発展改革委員会は3月中旬の暖房期間終了後に操業日数276日の生産制限政策を再開するよう検討しているが、具体的な実施計画案は未だ確定していない。
上掲の専門家によると、石炭の脱生産能力と生産制限政策はいずれも2017年の石炭生産量に直接の影響を及ぼす。政府は2016年の政策に起因する需給のアンバランスの二の舞を避けなければならず、その一方、石炭火力発電や鉄鋼の石炭需要が回復すると、石炭生産量の増加を刺激することになる。
(財新網 2月20日)
国家能源局が2月17日に公布した《2017年エネルギー工作指導意見》は2017年の石炭生産能力退出目標を5,000万トンに確定した。2016年の退出目標に比べて80%下がる。
「石炭生産能力の余剰は一定のものであり、脱生産能力の年間目標については毎年極めて高い水準を維持するわけでない」と、指導意見を起草した国家能源局規画司の何勇健副司長は2月18日、財新網の記者の取材に対して表明した。全国の石炭総生産能力は50億トン余りに上り、2016年は3億トンの脱生産能力を達成した。2017年も引き続き市場化と法治化の手段によって石炭の生産能力過剰の解消を進める。500ヵ所以上の炭鉱を閉鎖し、約5,000万トンの生産能力退出を目指す。
1月23日に中国煤炭工業協会の姜智敏副会長が明かにしたところでは、2016年に解消した石炭生産能力は約3億トンであり、2017年の脱生産能力目標が2016年の目標を下回ることは間違いないが、2017年の脱生産能力任務はさらに困難を増す。第1に、2016年に脱生産能力の対象になった炭鉱の一部はすでに生産停止状態にあったか半停止状態にあり、脱生産能力の任務を達成するのは相対的に容易であったが、2017年の脱生産能力は主に正常な生産を行っている炭鉱が対象になり、配置転換を要する人員も2016年に比べて少なくなることはあり得ない。第2に、2016年の脱生産能力過程において、臨時労働者の解雇や配置換え等の方式によって人員の配置転換問題を解決したが、企業内部で冗員を吸収する余地はすでに極めて小さくなっており、そのため、2017年の冗員の配置転換が難題になる。
注目すべきは、国家能源局が《2017年エネルギー工作指導意見》の中で2017年の石炭総生産量の目標を36.5億トン前後に設定している点である。つまり、2017年の石炭総生産量は前年比5.8%のプラスを実現することになり、3年間続いた生産量のマイナス局面は終了した。
中国煤炭工業協会の基本推計によると、2016年の全国原炭総生産量は34.5億トン、前年比7.9%減になった。過去のデータを見ると、2013年に全国原炭生産量はピークの39.74億トンに達したが、その後、需要の低減によって生産量は年々低下し、2014年の生産量はマイナス2.52%、2015年はマイナス3.28%になった。
石炭産業のベテラン専門家は財新網の取材に対し、業界では2017年の原炭生産量がプラス成長を実現するとの予想が広がっているが、その主な理由は2016年の生産量の減少幅が大きすぎたからであると指摘した。
2016年2月、国務院は《石炭産業の過剰生産能力解消と脱困難並びに発展の実現に関する意見》を通達し、石炭産業の脱生産能力の序幕が開かれた。同意見書は3〜5年間で石炭生産能力5億トンを退出させるとともに、再編によって5億トン減らすことを求めていた。同時に減産措置も発表し、全国の全ての炭鉱に対し年間操業日数276日に基づいて生産を行うよう求めた。これは年間操業日数330日に基づく生産量に比べると16%の引き下げに相当する。
この生産制限政策は2016年3月から施行され、全国の石炭供給量は大幅に下がり、2016年4〜10月の各月の原炭生産量の減少幅はいずれも10%を超えた。しかしながら、需要側を見ると、2016年の全国石炭消費量は前年比1.3%のマイナスに止まり、そのため、需給バランスは失調し、2016年下半期には石炭価格の急騰が続いた。2016年末の秦皇島5500キロカロリー一般炭価格は639元/トンに達し、年初の269元/トンに比べ72.7%上昇した。
2016年11月16日、国家発展改革委員会は、安全生産条件を備える全ての合法炭鉱に対し、2017年春の暖房期間終了まで操業日数330日に基づいて生産を行うことを許可し、生産制限政策を一時的に停止した。
2017年2月中旬に消息筋が明らかにしたところでは、国家発展改革委員会は3月中旬の暖房期間終了後に操業日数276日の生産制限政策を再開するよう検討しているが、具体的な実施計画案は未だ確定していない。
上掲の専門家によると、石炭の脱生産能力と生産制限政策はいずれも2017年の石炭生産量に直接の影響を及ぼす。政府は2016年の政策に起因する需給のアンバランスの二の舞を避けなければならず、その一方、石炭火力発電や鉄鋼の石炭需要が回復すると、石炭生産量の増加を刺激することになる。
(財新網 2月20日)