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中国
【原子力】

大雪災害が中国の今後の原子力発電開発を促進 (08/03/05)
2008/3/5
中国【原子力】

 全国政治協商会議委員兼中国核電工程公司副総経理(副社長)の龍巍氏は、南方地区の大雪が深刻な被害をもたらした原因の1つは、大規模な火力発電と過度に石炭に依存する単一の電源構造であると指摘し、原子力発電開発を速やかに促進して、エネルギーセキュリティを確保すべきであると表明した。

 龍巍氏によると、原子力発電は他には代え難い優越性を備えている。水力発電には渇水期があり、火力発電には石炭輸送問題が付きまとうのに対し、原子力発電の燃料は少なくすみ、交換のサイクルも長い。100万kWの原子力発電所1基に要する核燃料は年間わずか30トンであるが、同じ規模の石炭火力発電所は年間300万トンの石炭を要する。しかも、原子力発電所の場合、1年に1回燃料を交換すればすみ、輸送に対する依存度は極めて低い。

 政府は2020年に原子力発電の設備容量を4,000万kW、建設中の設備容量を1,800万kWとするよう計画しているが、龍巍氏は、たとえこの目標を実現できたとしても、原子力発電が全国の設備容量に占める比率はわずか4%、総発電量では10%に過ぎず、まだまだ小さいと言う。

 龍巍氏は政府に対して、原子力発電開発に対する支援を強化するよう提唱しており、特に原子力発電建設の専門集団を育成し、原子力発電建設の質を高めなければならないとしている。

 また、龍巍氏だけでなく、全国政治協商会議委員兼中国核動力研究設計院名誉院長の楊岐氏もまた、今回の大雪災害は中国の電力システムに対する警告であると考えている。楊岐氏は、第二世代改良型原子力発電の建設規模を拡大するとともに、第三世代原子力発電技術の導入、消化、吸収を進めるべきであると提唱している。また、ウラニウムに安定供給があってこそ、持続可能な発展が保障されるとして、ウラニウム資源の有効利用と備蓄を重視するとともに、様々なルートによるウラニウム資源の長期安定供給システムの確立を提唱している。

 (新華網 3月5日)