国際エネルギー機関(IEA)エネルギー市場・安全保障局長の貞森恵佑氏は3月28日、シンガポール国際エネルギー週間のプレイベントに参加した際、取材に対し、中国は需要の増加によって、今年米国を抜いて世界最大の原油輸入国になるとの見通しを示した。

　貞森氏は、「中国経済は目下構造的な調整が進んでいるが、我々はガソリン需要はなお急成長中であると見ている。なぜなら、中国の消費者の自動車購入台数が増加を続けており、また、石油は一部の工業活動にとって必要な原料だからだ」と述べた。

　貞森氏の指摘によると、中東のあらゆる原油をアジアに輸出したとしても、2022年にはアジアではなお100万B/D不足する。しかも、2022年には全てのアジア諸国が原油純輸入国になる。また、中東はアジアにとって最大の原油供給源であり続けるが、アジアは米国、中央アジアやアフリカなど他の地域を模索して原油輸入を増やすことになる。日増しに増加するアジアの需要を満たすには、輸出ルートのさらなる多元化が進むのは必至である。

　中国税関統計によると、2016年の中国の原油輸入は764万B/D、一方、EIAの統計によると、米国の輸入量は788万B/Dであった。貞森氏によると、米国の生産量は急速に増え、2017年末には米国のタイトオイルの生産量は2016年に比べ50万B/D増えることになる。

　（中国能源網 3月29日）