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【石油・天然ガス】

中国海洋石油の2016年の利益が97%の大幅減 海外資産の負担が過重に (17/03/23)
2017/3/23
中国【石油・天然ガス】

 中国海洋石油は上場以来最悪の業績を記録した。低油価の下で海外資産が足を引っ張った。3月23日、中国海洋石油有限公司(CNOOC Ltd.)は2016年年次報告を発表した。年報によると、2016年の収入は1,464.9億元、前年比14.6%の減収になり、純利益は6.37億元、96.9%もの大幅な減益になった。

 CNOOC Ltd.は海上油ガス田事業を中核業務としているが、近年、海外買収によって陸上事業を徐々に増やしている。同社は香港とニューヨークに上場している。

 2016年は石油価格の要因の他、海外石油ガス資産の減損と引当金の計上が純益に影響する主要要因になった。合計121.71億元に上り、2015年に比べ345%増加した。資産の減損計上は、予想原油価格の修正とカナダオイルサンド資産の経営計画の変更によるものであるが、北米、欧州及びアフリカの一部資産も含まれる。主に2013年に151億ドルで買収したカナダNexen Incによるものである。また、アフリカのナイジェリア資産の売掛金に回収リスクが生じ、約14億元の貸倒れ引当て金を計上した。加えて、北米石油ガス資産の約14億元の償却を行った。当該資産の土地賃貸期間が満期になったが、石油・天然ガス探査の成果を上げることが出来ず、契約に基づき所有者に返還しなければならないからである。

 CNOOC Ltd.が発表した業績データによると、海外資産の比率は60%に上るが、海外資産は埋蔵量では37%、生産量では35%、石油ガス販売収入では28%しか寄与していない。つまり、海外資産の貢献はその規模に見合っていないということである。

 例えば、CNOOCの埋蔵量は2年連続で前年割れが続き、2016年初頭の43.16億boeから年末には38.86億boeに減り、10%近い下げ幅になった。2016年には中国南シナ海海域、ブラジルLibra事業、ガイアナLiza油田事業では埋蔵量の規模を拡大し、3.8億boeの埋蔵量を得たが、経済性の面の修正により6.5億boe減少した。鍾華CFOによると、このことは油価下落によって海外のオイルサンド事業が経済性を失ったことを示す。

 業績発表会では、袁光宇総裁は2017年の同社の発展について、「今年の油価の動向については、少なくとも1〜2月は昨年よりもはるかに良いが、盲目的な楽観は禁物だ。世界の生産能力は依然過剰傾向にある。もっとも現在の油価は昨年に比べるとずっと良くなっており、CNOOC Ltd.の経営状況も大幅に改善するに違いない」と表明した。

 (財新網 3月23日)