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【原子力】

破産法申請のウェスチングハウス 中国AP1000事業への実質的影響はないと表明 (17/03/31)
2017/3/31
中国【原子力】

 3月29日、東芝の子会社であり世界的原子力発電大手の米国ウェスチングハウスが米連邦破産法第11条に基づく再生手続きを申請した。ウェスチングハウスは戦略再編に努めると表明した。

 3月30日、ウェスチングハウスは再び声明を発し、今回の再編が中国のAP1000事業の推進と完成に影響することはないと表明し、浙江省三門と山東省海陽の世界初のAP1000原子炉の竣工に全力を挙げると述べた。

 2006年、国務院は第三世代原子力発電技術にウェスチングハウスのAP1000原子炉を採用することを決定し、国家核電技術公司を設けて、同社をAP1000技術の導入と吸収、中国の第三世代原子力発電技術の自主化の実施主体とした。AP1000技術は浙江省三門原子力発電所と山東省海陽原子力発電所のそれぞれ1・2号機、合計4基の設備に採用することになった。

 ウェスチングハウスの今年3月15日の公告によると、AP1000の技術移転はすでに完了しており、国家核電技術公司に24万件以上の文書や図面を交付した。

 注意しなければならないのは、米国の事業が直面した問題と同様に、世界初のAP1000原子炉になる浙江省三門原子力発電所1号機はメインポンプの問題によって工期が遅れ、未だに竣工していないことである。本来の計画では、三門原子力発電所1号機は2013年に完成し発電を開始しているはずであった。竣工が今年に変更になれば、工期は4年遅れたことになる。

 但し、米国の事業と異なるのは、ウェスチングハウスが中国の事業において請け負ったのは設計と調達だけであり、総価請負企業は国家核電技術公司傘下の国核工程有限公司である点である。

 このことについて、国家核電技術公司は公告を発し、ウェスチングハウスの再生手続き申請が中国国内のAP1000事業の建設や、今後のCAP1000の大規模建設、CAP1400実証事業の建設など第三世代原子力発電自主化対策に実質的な影響を及ぼすことはないと表明した。ウェスチングハウスが三門、海陽及び上海に派遣している管理と技術の専門家グループは順調であり、AP1000の建設と調整試験など各種作業は計画通り整然と進められている。ウェスチングハウスは引き続き中国の顧客及び協力パートナーと原子力発電分野の協力を展開し、場合によっては協力を拡大したいと述べている。

 (毎日経済新聞 3月31日)