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【石油・天然ガス】

シノペックが一般貿易による石油製品輸出を13年ぶりに再開 (17/04/11)
2017/4/11
中国【石油・天然ガス】

 中国石油化工集団(SINOPEC)からの情報によると、青島石化の完成以来初めての石油製品輸出になる軽油が先頃シンガポールへ輸送された。SINOPECはこれまで停止していた一般貿易の石油製品輸出を13年ぶりに再開したことになる。一方、中国石油天然ガス(CNPC)はこれより先、一般貿易方式による石油製品輸出を再開していた。業界関係者の見方によると、このことは中国国内の石油製品の飽和状況を示している。

 SINOPEC関係筋によると、青島石化は2016年11月の財政部と税務総局の財税[2016]113号文書の通達を受けて、石油製品一般貿易輸出の準備作業に着手し、3ヵ月かけて石油製品輸出関連資格の手続きを完了して、先頃軽油の輸出を実現した。

 また、CNPCの大連石化は昨年11月、一般貿易方式によりガソリン3.3万トン、軽油4万トンを輸出した。CNPC傘下の遼陽石化も昨年12月に一般貿易による軽油輸出枠を申請している。

 ICISのアナリストによると、受託加工貿易の石油製品輸出は増値税と消費税が免除されるが、輸出条件が多く、手続きや流れが煩雑である。一方、一般貿易方式の石油製品輸出は消費税と増値税がかかるが、手続きは簡単である。今のところ、高額の課税コストを考慮した結果、石油製品輸出の9割以上は受託加工貿易方式によるものである。然るに、昨年11月、財政部は2016年11月1日より石油製品増値税の輸出還付率を17%に引き上げて、石油製品の輸出を奨励することにした。一般貿易による石油製品輸出は増値税の事後還付政策を適用されることになり、製油所は一般貿易の形式での石油製品輸出を検討し始めた。

 こうした状況は中国の石油製品消費の飽和状態を際立たせている。CNPC経済技術研究院が先頃発表した《2016年国内外石油ガス産業発展報告》によると、2016年には中国の石油製品消費に初めてマイナスが発生し、2017年は製油能力の過剰がさらに深刻化して、石油製品純輸出は4,000万トンを超えると予想される。

 (中国証券網 4月11日)