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【エネルギー全般・政治経済】

中国が《エネルギー生産・消費革命戦略》を公布 6つの面からエネルギー革命を推進 (17/04/25)
2017/4/25
中国【エネルギー全般・政治経済】

 国家発展改革委員会と国家能源局は《エネルギー生産・消費革命戦略(2016〜2030)》を公布した。消費、供給、技術、体制、国際協力、エネルギー安全主導権の把握の6つの側面から、中国のエネルギー革命の推進を初めて全面的、系統的に部署した戦略になる。

 戦略は2030年に向けた意欲的なエネルギー革命目標を設定するとともに、2050年についても展望している。

 国家発展改革委員会基礎司の劉剣副司長は次のように表明した。「2020年までに重点的な打開を実現する。エネルギー消費総量を50億tce(標準炭換算トン)以内に抑制し、非化石エネルギーのシェアを15%にする。単位GDP当たりのCO2排出を2015年比で18%引き下げる。2030年までに全面的推進を実現する。エネルギー消費総量を60億tce以内に抑制し、一次エネルギーに占める非化石エネルギーの比重が20%前後に、天然ガスのシェアが15%前後に達するようにする。単位GDP当たりのCO2排出を2005年比で60〜65%引き下げる。CO2排出が2030年頃かそれよりも出来る限り早くピークに達するよう努める。単位GDP当たりエネルギー消費で現在の世界平均水準に追い付く。2050年にはエネルギー消費総量を基本的に安定させ、非化石エネルギーのシェアを半分以上にする」。

 戦略には6つの側面、すなわち、消費革命、供給革命、技術革命、体制革命、そして国際協力とエネルギーセキュリティが包摂される。戦略はこれら6つの任務と合わせて、初めて4大革命の方向性を提示している。

 「安全保障を出発点とし、国内に立脚しつつエネルギー供給の多元化を推進する。節約優先を方針として、エネルギー消費総量の抑制を堅持する。グリーン・低炭素を指針とする。新エネルギーと再生可能エネルギーの比重を大幅に高め、未来の新規エネルギー需要は基本的にクリーン・エネルギーで賄うようにする。主動的イノベーションを原動力として、エネルギーの体制と仕組みの革新を推進し、重点分野と重点プロセスの改革をペースアップする」と劉剣副司長は述べた。

 2016年末の中国の一次エネルギー生産総量は約34.6億tce、一次エネルギー消費総量は約43.6億tceであり、生産と消費ともに世界一である。中国の原油対外依存度は今や65%を超え、SO2、NOX、PM2.5、有害重金属の排出はいずれれも世界ワーストグループに入っており、エネルギーの生産と消費は生態環境を深刻なまでに損なっている。

 国際情勢を見ると、エネルギーのクリーン・低炭素型発展はすでに大きな流れになっており、エネルギー技術の革新は高度活発期に入っている。主要大国は未来に向けたエネルギー発展戦略を次々と策定している。中国も2014年6月に中央財経指導小組第6回会議が「エネルギー生産・消費革命」の推進を中国の長期戦略の一つにすることを正式に打ち出した。

 (参考消息 4月25日)