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【石炭】

2017年石炭脱生産能力実施方案が通達 1.5億トン以上を退出 (17/05/15)
2017/5/15
中国【石炭】

 国家発展改革委員会、工業情報化部、国家安全監管総局は先頃《2017年鉄鋼・石炭産業過剰生産能力解消と苦境脱却・発展実現の適正な工作に関する意見》を通達した。同意見が打ち出した方案によると、2017年に石炭生産能力1.5億トン以上を退出させ、石炭の総量、地域、炭種及び需要の基本的平衡を実現する。

 5種類の石炭生産能力を退出

 《2017年石炭脱生産能力実施方案》は退出させる生産能力について5項目の基準を明確にしている。

 (1) 長期にわたり操業・生産を停止している「ゾンビ企業」の退出を速やかに進める。長期的に操業・生産を停止し、長年赤字にあり、債務超過で生存能力も発展のポテンシャルもない「ゾンビ企業」については、すにで操業・生産を停止し再開の条件を備えない企業、操業・生産再開の検収に不合格で期限付整理改善を行っても安全生産等の要件に達しない企業及び検収を受けないまま勝手に操業を再開している企業はいずれも2017年の脱生産能力の範囲に加える。

 (2) 法規に違反し標準を満たさない炭鉱の退出を速やかに進める。安全、環境保護、品質、技術等の強制的国家標準を満たすことが出来ず、期限を過ぎても整理改善を行わないか又は整理改善を行っても標準に達しない炭鉱は原則として2017年の脱生産能力の範囲に加える。生産停止・整理命令の執行を拒み依然生産を行っている炭鉱、炭層・境界を越えて生産又は建設を行っている炭鉱は2017年の脱生産能力の範囲に加える。採掘範囲が自然保護区、景観名勝区、飲用水水源保護区等のエリアと重なる炭鉱は関連法規に基づき可及的に速やかに閉鎖退出を進める。

 (3) 安全保障の程度が低くリスクが大きい炭鉱の退出を速やかに進める。年間生産能力30万トン以下で「重大」以上の安全生産責任事故が発生した炭鉱、年間生産能力15万トン以下で「比較的大きい」以上の安全生産責任事故が発生した炭鉱は事故発生の当年中に淘汰する。国が禁止している採炭方法や技術を採用し、技術改造も実施できない炭鉱は2017年の脱生産能力の範囲に加える。

 (4) 老朽化生産能力の炭鉱の淘汰を速やかに進める。山西・陝西・内蒙古・寧夏の4つの地区の年産30万トン未満の炭鉱、河北・遼寧・吉林・黒龍江・江蘇・安徽・山東・湖北・甘粛・青海・新疆の11の地区の年産15万トン未満の炭鉱、その他の地区の年産9万トン未満の炭鉱は、2017年又は2018年の脱生産能力の範囲に加える。民生用石炭及びその他の特殊需要の炭鉱は代替資源への引き継ぎ状況に応じて脱生産能力の範囲に加える。

 (5) 安全、品質並びに環境保護、技術等の面から炭鉱の退出を整然と誘導する。

 合併再編と転換・グレードアップを推進

 方案は合併再編を速やかに推進するとしている。山西・陝西・内蒙古・寧夏の4地区の年産30万トン以上60万トン未満、河北・遼寧・吉林・黒龍江・江蘇・安徽・山東・湖北・甘粛・青海・新疆の11地区の年産15万トン以上30万トン未満のものについては2年以内に合併再編を実施しなければならない。時期が到来しても未だ再編を行っていない場合、省クラス人民政府が発展の必要に応じて脱生産能力計画に組み入れるよう誘導する。

 「減量置換」(新規炭鉱を建設する場合、その生産能力を上回る老朽生産能力の退出を義務付ける仕組み)、増減連動及び指標取引(減量置換枠の取引)等の方式を活用して、産業のグレードアップを促進する。炭鉱建設に当たって他の企業の生産能力指標を使用する場合、双方の企業が契約に調印しなければならない。生産能力指標を重複して使用してはならない。

 支援的かつ規制的な財政金融政策を実施する。合併買収融資条件に適合する合併再編企業については、買収取引価格の中で買収融資の占める比率の上限を70%に引き上げることが出来る。

 また、実施方案は中長期契約制度の確立を推進すること、減量化生産制度をさらに完備すること、石炭最低・最高在庫制度の完備を急ぐこと、石炭価格の異常な変動に対する共同対応の制度の確立と完備を進めることも打ち出している。

 (中国煤炭網 5月15日)