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【石炭】

中国 石炭輸入政策が石炭価格に波及も (17/05/16)
2017/5/16
中国【石炭】

 中国の石炭輸入量は2014〜15年に2年連続でマイナスになったが、2016年には国内供給がタイトになったため、輸入量の伸び率は25%に上った。さらに今年1〜4月の輸入量の伸び率は33%に達した。国内石炭企業は昨年以来、石炭輸入制限の強化を主張している。5月10日、関係政府部門は会議を開き、低品質炭の輸入を断固規制すると表明、石炭輸入規制に向けた政府の態度を示した。

 中国の石炭輸入規制は品質基準や関税等の方法によって行われている。

 品質基準については、2014年9月に国家能源局が公布した《商品炭品質管理暫定弁法》を主な根拠とし、商品炭の灰分、硫黄分及び微量元素について応分の規定を設けている。実際の執行過程では、品質が要件に適合しない場合、送り返すケースも発生しており、輸入企業はリスクを回避するため、品質要件を満たす石炭を輸入するようになっている。関税の面では、2014年10月15日から無煙炭、原料炭、原料炭以外のその他瀝青炭、その他石炭、豆炭等のゼロ%の暫定税率を撤回し、無煙炭3%、原料炭3%、原料炭以外のその他瀝青炭6%、その他石炭5%、豆炭5%の最恵国税率の適用を再開した。但し、ASEAN10ヵ国はゼロ関税の優遇を受け、オーストラリアと中国の自由貿易協定も2015年12月20日に発効した。その後2年以内に一般炭と原料炭の輸入関税が逐次撤廃され、今では中国が輸入する石炭の71%は輸入関税による制限を受けていない。

 実際、輸入炭の品質規制と関税回復による制限は効果が極めて軽微であり、2014年と2015年に石炭輸入がマイナスになったのも、主に国内需要の低下に起因する。

 総合的に見て、関税を増やす可能性は低く、商品炭品質基準をさらに引き上げることが実行可能な道筋になるが、実際に行うと大きな圧力に直面する。その上、市場には低品質石炭に対する統一的な定義がなく、対象を絞って制限を加えることは難しい。現在、国内石炭価格は下落し始めているものの、依然高い水準にある。供給は回復したばかりであり、在庫水準は極めて低い。もし輸入炭を制限した場合、安定供給を確保するため、国内炭鉱の投入を増やす必要があるが、政策調節のペースと度合にとっては一つの難題になる。石炭価格の変動を予測するにあたっては、こうした要因を考慮に入れなければならない。

 (鋼鉄資訊 5月16日)