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【石油・天然ガス】

中国共産党中央と国務院が石油・天然ガス体制改革の深化に関する若干の意見を通達 (17/05/21)
2017/5/21
中国【石油・天然ガス】

 中国共産党中央と国務院が《石油・天然ガス体制改革の深化に関する若干の意見》を通達し、石油・天然ガス体制改革の指導思想、基本原則、全体構想及び主要任務を明確にした。

 意見は次のように指針を打ち出している。石油・天然ガス体制改革を深化させ、国家エネルギー戦略を全面的に実施する。社会主義市場経済改革の方向性を堅持し、企業・市場・政府の関係を正しく処理し、資源配置における市場の決定的な作用とより良い政府の作用を発揮させる。エネルギーの安全を保障し、生産力の発展を促進し、人民大衆の需要を満たすことを目標として、健全な競争秩序と依拠すべき法を備え、監督管理が有効な石油・天然ガス体制を確立し、国家の利益、企業の利益、社会の利益の有機的統一を実現する。

 意見は次のように強調している。石油・天然ガス体制改革に当たっては問題を指針とし、市場化を方向性とすることを堅持し、エネルギーの商品としての属性を体現する。国のエネルギーの安全を保障し、厳正な監督管理を堅持し、産業チェーンの各プロセスの安全を確保し、石油・天然ガス供給の安定性と信頼性を確保する。科学的監督管理を堅持し、政府の作用をより良く発揮し、省エネ・環境保護を堅持して、石油・天然ガス資源の有効利用を促進する。

 意見は石油・天然ガス体制改革の全体構想を次のように明確にしている。

 ・石油・天然ガス体制に存在する深層レベルの矛盾と問題を対象に、石油・天然ガス探査開発、輸出入管理、パイプラインの運営、生産加工、価格体制の改革及び国有石油・天然ガス企業の改革を深め、競争的プロセスにおける市場の活力と基幹石油・天然ガス企業の活力を喚起する。
 ・資源の継続保障能力、国際・国内資源の利用能力並びに市場リスク防止能力、集約的輸送並びに公平なサービス能力、高品質石油ガス製品供給能力、石油・天然ガス戦略安全保障供給能力、全産業チェーンの安全・クリーン運営能力を向上させる。
 ・改革を通して石油・天然ガス産業の持続的で健全な発展を促進する。資源確認埋蔵量を大幅に増やし、資源配置効率を不断に高め、安全、高効率、イノベーション、グリーン、安全保障、供給の保証、資源の保護、市場の安定を実現する。

 意見は8つの面で重点改革の任務を部署している。

 (1) 石油・天然ガス探査開発体制を完備するとともに整然と開放を進め、資源継続保障能力を高める。
 探査鉱区の競争譲渡制度とより一層厳正な鉱区退出の仕組みを実行する。エネルギーや環境保護等の資格管理を強化し、保護的開発を前提に、参入要件に適合し資格を取得した市場主体が在来型石油・天然ガス探査開発に参加することを許可し、大手国有石油・天然ガス公司が主導し、多様な経済要素が共同で参加する探査開発体系を形成する。

 (2) 石油・天然ガス輸出入管理体制を完備し、国際・国内資源の利用能力並びに市場リスク防止能力を高める。
 規範的な資格管理を主とする原油輸入の動態的管理制度を確立する。石油製品加工貿易並びに一般貿易の輸出政策を完備する。

 (3) 石油・天然ガスパイプライン網運営の仕組みを改革し、集約的輸送並びに公平なサービス能力を向上させる。
 大手国有石油・天然ガス企業の基幹パイプラインの独立をステップバイステップで推進し、パイプライン輸送と販売の分離を実現する。石油・天然ガスパイプライン網への公平なアクセスの仕組みを完備し、石油・天然ガス基幹パイプライン、省内及び省間のパイプライン網をいずれも第三者市場主体に対して公平に開放する。

 (4) 下流の競争的プロセスの改革を深め、高品質の石油ガス製品の生産と供給能力を向上させる。
 品質、安全、環境保護、エネルギー消費等の面でより厳正な技術標準を制定し、石油・天然ガス加工プロセスへの参入と淘汰の仕組みを完備する。国内の原油高付加価値加工の水準を向上させ、先進的生産能力を保護、育成する一方で、老朽化生産能力の淘汰を加速する。天然ガスの下流市場の開発と育成を強化し、天然ガスの配給と販売プロセスで公平な競争を促進する。
 
 (5) 石油ガス製品の価格決定の仕組みを改革し、競争的プロセスの市場活力を有効に喚起する。
 石油製品価格形成の仕組みを完備し、価格決定に対する市場の作用を発揮させつつ、価格の異常変動時における政府の調節権限を保留する。非民生用ガス価格の市場化を推進するとともに、民生用ガス価格決定の仕組みをさらに完備する。法規に基づき石油・天然ガス取引プラットフォームの建設を加速し、資格に適合する市場主体が取引に参加するよう奨励し、市場競争を通して価格を形成する。パイプラインの輸送コストと価格に対する監督管理を強化し、コストに合理的な収益を加算することを原則として、パイプラインタリフを科学的に制定する。 

 (6) 国有石油・天然ガス企業の改革を深め、基幹石油・天然ガス企業の活力を十分に喚起する。
 国有石油・天然ガス企業の法人管理構造を完備し、条件を備える石油・天然ガス企業が株式の多元化と多様な形式の混合所有制改革を発展させるよう奨励する。国有石油・天然ガス企業の専門化に向けた再編と統廃合を推進し、エンジニアリング、建設や装備製造等の業務の専門化に向けた再編を支持して、独立した市場主体として競争に参加させる。国有石油・天然ガス企業の「ダイエット」を推進し、国有石油・天然ガス企業が多様な方式によって福利機能を分離し、積年の問題を解決することを支持する。

 (7) 石油・天然ガス備蓄システムを完備し、石油ガス戦略安全保障供給能力を高める。
 政府備蓄、企業の社会責任備蓄及び企業の生産経営在庫を有機的に結び付け、それらが相互に補完する備蓄システムを確立、完備する。備蓄施設の投資と運営の仕組みを完備し、政府からの投資を強化するとともに、民間資本が備蓄施設の投資と運営に参加するよう奨励する。天然ガスピーク調整政策とクラス別の備蓄ピーク調整の仕組みを確立する。政府、ガス供給企業、パイプライン企業、都市ガス公司及び大口需要家の備蓄ピーク調整の責任と義務を明確にする。ガス供給企業とパイプライン企業は季節的ピーク調整の責任と緊急対応の責任を引き受ける。地方政府は日間ピーク調整の責任主体として協調と実施の責務を負い、ガス供給企業、パイプライン企業、都市ガス公司及び大口需要家が天然ガス売買契約においてガス供給日間ピーク調整の責任について協議、約定するよう奨励する。

 (8) 石油・天然ガスの健全な安全・環境保護体系を確立し、全産業チェーンのクリーン運営能力を高める。
 石油・天然ガス開発・利用の全過程に対する安全監督管理を強化し、石油・天然ガス全産業チェーンの健全な安全責任体系を確立し、安全リスクへの対応と防止の仕組みを完備する。

 (人民網 5月21日)