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アジア
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ラオスのPak Bengダムプロジェクトは地元住民との間に波風を立てる結果に(17/6/8)
2017/6/8
アジア【新エネルギー】

 タイの環境活動団体は、ラオスで進められているPak Bengダムプロジェクトに抗議するためにチェンライの行政裁判所に嘆願書を提出した。同環境活動団体は、このプロジェクトによる生態系と経済への影響、そして国境を越えてタイの人々への悪影響があることを恐れ、タイの国家メコン委員会が同プロジェクトへの支援が行われる前に慎重に検討するように裁判所に要請した。

 メコン川流域の開発は、国境を接している4か国の間に事前協議の協定(PNPCA)が締結されているため、関係国への通知が必要となっており、PNPCAに基づいて共同承認が必要とされている。ラオスは関係3か国への支援を求める前に、タイの環境団体は裁判所へこの問題を先に提出し、同国政府に検討するよう促した。

 ダムは、ラオスのルアンプラバンの北にある町Pak Bengから14kmほど離れており、中国のDatang International Groupが2007年8月に受注を受けて、912MW規模の発電事業を目指して開発を行っている。同ダムの発電量は、タイの国家電力公社EGATが買取契約を結んでいるが、チェンライから100km圏内にあるウィアンケン、チェンコン、チェンセンの3つのメコン川流域の地区に住む村人、環境保護団体、漁業関係者は、同プロジェクトに反対するキャンペーンを始まっていた。

 チェンカン地区から200?ほど離れているXayaburi水力発電所は、すでに異常に高い水位を引き起こし、近隣地域への影響が一部の地域で出ている可能性が高い。多くの研究チームは、メコン川開発による影響調査を行っているが、影響を受けた地域をカバーすることができず、調査手法も国際基準に満たしていない。その上、周辺住民への情報共有が不十分で、今回の嘆願書提出は、裁判所の介入を期待し行ったものである。

(Bangkok Post 2017年6月8日)