クウェートの国土面積は北京市程度に過ぎないが、石油埋蔵量は世界の約10％を占める。クウェートは長年、世界の石油生産企業の競争の舞台であり、欧米企業は主導的地位を占め、中国石油企業が付け入る余地はなかった。

　しかし、そうした状況には変化が生じている。クウェートで中国企業が請け負っている各種建設事業は64件、油田サービス、探査、石油化学、住宅、インフラ、通信等の分野にわたり、契約額は総計137億ドルに上る。

　2008年の国際金融危機後、中石化国際石油工程公司クウェート分公司はクウェート市場の開拓に傾注し、2009年4月、熾烈な入札競争に勝ち抜き、8.65億ドル、15台の掘削機械に相当する掘削契約を受注して、一挙にクウェート市場への参入を果たした。

　2014年の国際油価の暴落によって、世界の石油エンジニアリング市場は厳寒に陥った。しかし、中石化国際石油工程公司クウェート分公司は逆に攻勢を仕掛け、国際入札で11.5億ドルの掘削契約を受注した。シノペックの海外掘削契約の新記録を立て、クウェート最大の掘削請負企業になった。現在、クウェート分公司の保有する掘削機械は53台、クウェート市場で45％以上のシェアを占めている。

　シノペック傘下の勝利、中原、華北、生産及び華東の地区公司5社から53のチーム、中国人と外国人の従業員3,000名余りがクウェートで苦労の多い作業に当たっている。2017年第1四半期までの契約額は累計30.11億ドルに上る。

　駐クウェート中国大使の王鏑氏は本紙記者の取材に対し、次のように表明した。クウェートはシルクロードの東西を結ぶ重要な結節点であり、「一帯一路」イニシアチブに最も早い時期に呼応して協力文書に調印した「一帯一路」共同建設の重要なパートナーだ。今後、中国とクウェート両国は「一帯一路」と生産能力をめぐる協力を契機として、経済貿易協力の新たな成長材料を絶えず育成し、石油・天然ガス、エネルギー、金融投資、テクノロジー等の分野で協力を強化し、協力の成果をより良く両国の人民に及ぼすようにする。

　（人民日報 7月17日）