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【石油・天然ガス】

中国 米国からの原油輸入が激増 米中石油協力の前途は有望 (17/07/31)
2017/7/31
中国【石油・天然ガス】

 中国は世界最大のエネルギー消費国であり、原油輸入依存度は極めて高い。中国が米国からの原油輸入を増やすことは、米中間の貿易不均衡問題を解決し、米中エネルギー協力を強化する上で極めて好ましい選択肢になる。今年上半期に中国が米国から輸入した原油とLNGの総額は昨年通年の6倍に達した。米中石油協力の見通しは良好である。

 商務部の高峰報道官は7月28日、中国が上半期に米国から輸入した原油とLNGは総額14億ドルに達し、昨年通年の6倍になったと発表した。今年4月の米中首脳会談以来、両国は貿易不均衡問題の解決に前向きに努力しており、ポジティブな成果を上げたと高峰報道官は述べた。

 高峰報道官は、中国は貿易黒字の追求に躍起になっているわけではないと述べ、「中国は引き続き積極的な措置を採って米国からの輸入を拡大する」「米国も対中輸出規制の緩和などの面で実質的な歩みを踏み出し、貿易赤字の削減に努力することを期待する」とした。

 統計によると、中国の原油及びその他液体燃料の1日平均生産量は399.9万バレル、世界第8位の生産国であるが、膨大は需要のため、中国は大量の原油を輸入して国内供給の不足を補うことが必要である。

 中国の原油輸入量の上昇と米国の輸入量の低下により、中国は月によっては米国を超える世界最大の原油輸入国になっている。中国の原油輸入依存度は2001年以降、年々上昇し、2017年5月には70%に迫った。
 
 中国の原油輸入先を見ると、2016年末時点でロシアがサウジアラビアを抜いて最大の輸入先になり、次いでアンゴラ、オマーン、イランの順になる。これら5ヵ国からの輸入量は56%近くを占めている。

 ブルームバーグの分析によると、2020年には中国の原油輸入依存度が66%に達する可能性もある。中国の昨年の原油輸入依存度は43%であったが、今年1〜5月には68%に急上昇し、過去最高を記録した。これは中国が原油備蓄を拡大させたからであり、現在は安定を維持していると見られる。

 早くも今年2月には中国はカナダを抜いて米国原油の最大の輸出先になった。中国の2月の米国産軽質原油の輸入は808万バレルで、1月の輸入量の4倍近くになった。そのため、米国の2月の原油輸出量は3,120万バレルに急増し、過去最高を記録した。一方、カナダの輸入はわずか684万バレルで、1月に比べ20%下がった。

 米国のペリーエネルギー長官は7月6日に中国を訪問した際、中国とのエネルギー協力の拡大を呼びかけた。米国の原油輸出拡大は雇用創出につながる。中国にとってはロシアとアンゴラが依然として主要な原油輸入先であり、米国のシェアはまだ小さい。しかしながら、中国は石油と天然ガスの供給源の多様化を模索しており、また、中東等からの供給が地政学的影響を受けることもあって、将来の米中石油協力の見通しは良好である。

 (中国化工網 7月31日)