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中国
【石油・天然ガス】

中国は今や米国に代わる世界最大の石油輸入国 石油価格に対する決定権を増強 (17/08/08)
2017/8/8
中国【石油・天然ガス】

 英国報道によると、中国は今年、米国に代わって世界最大の石油輸入国になり、アジア市場における地位をより一層強化し、アジアの燃料取引を主宰する力をますます大きくする。

 統計によると、今年上半期の中国の原油輸入量は初めて米国を超え、855万B/Dに上った。米国は812万B/Dであった。こうした傾向は今後も続くだろう。

 世界の石油市場の重心は西から東へシフトしている。中国の国営石油貿易企業である聯合石化は今や世界最大の石油実物貿易業者である。中国は米国に次ぐ世界第2位の石油消費国であり、中国は石油輸入量の増加に伴い、世界の油価の決定において鍵になる役割を演じるようになって。特に上海は原油先物取引市場を本格化させつつある。

 中国の原油輸入の激増は、製油所の生産能力拡張によっても促されている。しかしながら、内需だけでは石油製品の供給を消化することが不可能であり、中国のガソリンと軽油の輸出は過去最高に上昇している。中国の急速な供給量の増加はアジアのライバルにとって頭痛の種であり、2016年の軽油の利益率は数年来の最低になった。「東南アジアとオーストラリア市場を奪うため、中国は韓国やシンガポールなど旧来の石油製品輸出国に対して極めて大きな圧力をもたらしている」とエネルギーコンサルティング会社Wood Mackenzieのアナリストは指摘する。

 コンサルティング会社のFGE及びWood Mackenzieの予想によると、中国の今年のガソリン輸出は2016年に比べ少なくとも1万B/D増加し、今年の海外ガソリン販売量は23.5〜24万B/Dになる。さらに2018年には約33万B/Dに拡大するだろう。

 聯合石化は中国の石油製品輸出の先陣を切っており、新たな海外市場に狙いを定めている。6月には数年ぶりにジェット燃料をシンガポールから西欧・北欧へ輸送した。2017年に入ってから中国がフランスへ輸出した軽油は倍増しており、イタリアへの輸出は4倍余りに増えた。また、中国は今年、ケニアへ初めて軽油を輸出した。

 中国が仕掛ける競争によって最も大きな衝撃を受けるのは、シンガポールや韓国などの輸出指向型製油所である。韓国の製油所関係者は、市場に中国という競争相手が加わり、韓国の製油所が影響を受けるのは間違いないと述べた。

 日本とインドの製油所が受ける影響は相対的に小さい。

 中国とインドはすでに日本を越えるアジア最大の石油消費国になっている。日本の製油所は現在、生産能力の整理を進めている。人口の減少、電力供給など代替燃料の拡大、さらに運輸業も石油製品の消費を減らしているからである。

 一方、インドの製油所は大幅な増加する国内需要への対応に腐心している。

 中国で新たに建設される現代化製油所と輸出業者はオーストラリアなど燃油標準が厳格な国で市場を奪いつつある。2016年のオーストラリアへの軽油輸出は約8倍に増加して85万トン前後に達した。今年もほぼ昨年並みのペースで輸出が続いている。

 中国では電気自動車、自転車シェアリング、スクーター等の使用が拡大しているため、国内の燃油需要は軟調であり、製油所はガソリン輸出の拡大を余儀なくされている。

 FGE傘下のEast of Suezの主幹Sri Paravaikkarasu氏によると、中国のガソリン需要の伸び率は、昨年の6.5%から、2017年には3.5〜4%に下がる見通しである。

 また、BMI Researchによると、ガソリン車の販売量の伸び率は、2016年第1四半期には8.7%であったのが、2017年第1四半期には0.7%に下がり、一方、その他の燃料による車両は52.9%もの大幅な増加になった。

 (中国網 8月8日)