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【石油・天然ガス】

CNPC経済技術研究院:中国の石油需要が2030年にはピークの6.9億トンに (17/08/17)
2017/8/17
中国【石油・天然ガス】

 中国石油経済技術研究院が8月16日に発表した《2050年の世界と中国のエネルギー展望》2017年版によると、中国の石油需要は2030年にはピークに達して、6.9億トンになり、2030年以降は世界全体に占める中国の石油需要は徐々に低下して、約12%に下がる。

 「中国の原油生産量は2030年まで2億トンの水準を維持し、その後は徐々に低下する。化石エネルギー需要は2030年にピークに達するが、天然ガスは2050年まで増加が続く。2050年には中国の天然ガス需要は世界全体の約15%を占める」とCNPC経済技術研究院エネルギー産業アナリストの劉暢氏は言う。

 CNPC経済技術研究院の姜学鋒副院長によると、2017年版が昨年の展望と比べて最も大きく変化したのは、一次エネルギー需要が上昇している点である。生活の質的向上と交通インフラの利便化に伴い、交通セクターのエネルギー需要は2050年まで増加が続く。

 昨年のレポートは、中国の交通用エネルギーは2030年にピークに達して約3.8億トンになり、石油需要総量の約55%を占めると予測していたが、今年のレポートは、国内の交通と化学原料用の石油が石油需要の増加分の97%を占め、特に交通用は73%を占めると予測している。

 交通用石油需要の増加は、主に自動車保有台数の増加と民間航空用燃料等の需要の上昇に起因する。「2050年には中国の自動車保有台数は5億台近くになり、2015年の1.8倍になる」とCNPC経済技術研究院エネルギーアナリストの王利寧氏は言う。その頃にには中国の1000人当たりの自動車保有台数は350台になり、うち新エネ車の保有台数は30%に達する。

 石油製品の種類別では、軽油需要は徐々に下がり、ガソリン需要は2025年頃にピークに達するが、ジェット燃料の需要は2050年まで増加が続く。

 「交通用石油が交通セクターのエネルギー需要に占める比率は2030年には78%になり、2050年には65%になる」と王利寧氏は指摘する。新エネ車、高速鉄道等の交通ツールやシェアリングモビリティ等のモデルが交通用石油に著しい衝撃を与えるものの、燃油車のシェアは依然高く、航空運輸の発展によっても衝撃は緩和される。

 「今年、シェアリングエコノミーによって減少した石油需要は約140万トンであり、国内石油需要の1%足らずだ。中長期的(2050年まで)には石油需要に極めて大きな影響を及ぼすことはない」とCNPC経済技術研究院石油市場研究所主任工程師の陳蕊氏は指摘した。

 (中国能源網 8月17日)