石油製品の生産コストの高止まりと供給過剰のため、中国の石油製品輸出は赤字に陥っており、短期間の逆転は難しい。
「昨年初頭から今年6月末までの石油大手3社の石油製品輸出は累計700億元近い赤字になっている」と御三家の事情に詳しい消息筋は言う。この1年半で中国は7,000万トン余りの石油製品を輸出しており、1トン当たりの赤字は約1,000元に上る。御三家は石油製品輸出の9割を占めている。
「今年上半期には状況は相対的に好転し、石油製品輸出の1トン当たりの赤字は約500元になった」と前出の消息筋は指摘する。上半期の石油製品輸出価格は50ドル/バレル前後を維持したが、御三家の殆どで石油製品生産コストは60ドル/バレルを超えており、1バレル当たりの赤字は約10ドルになる。
今年7月末時点で中国は3期に分けて合計3,300万トン超の石油製品輸出枠を割り当てた。総量は昨年並みである。CNPC経済研究院のデータによると、今年の中国の石油製品純輸出量は4,000万トンを超える見込みである。
一方、国内の石油製品供給の過剰局面は改善されていない。CNPC経済研究院の予測では、今年の中国の石油製品需要量は約3.19億トン、前年比2.2%増になるが、石油製品生産量は3.6億トン、4.3%増になって、需要を4,043万トン上回る。製油能力の過剰はさらに進むことになる。
今年第3四半期にはCNPCの雲南製油所と中国海洋石油(CNOOC)の恵州製油所第2期が続々と稼動する。雲南は年産能力2,200万トンになり、恵州製油所第2期は製油能力を2,200万トン拡充し、年産100万トンのエチレンプラントを建設する。昨年末時点で中国の製油所の常減圧プラント能力は8.37億トンに達し、前年比4.12%の増加になっていた。
昨年の中国の石油製品輸出枠は4,510万トンであったが、実際には合計4,830万トンの石油製品が輸出され、前年比34%増になった。うちガソリン輸出は970万トン、前年比65%増加し、軽油輸出は1,540万トン、前年の2.5倍になった。
一方、原油輸入は大幅に増加し、今年上半期の原油輸入は合計2.12億トン、855万B/Dで、前年同期より13.8%増加した。しかしながら、原油輸入コストはやや上昇し、平均輸入価格は昨年2月の231.86ドル/トン(約32ドル/バレル)から、今年5月には363.02ドル/トン(約49.7ドル/バレル)になった。
2016年は山東の地方製油企業がガソリン輸出資格を得た1年目であった。輸出枠達成率は約61%、ガソリン・軽油の輸出量に占めるシェアは2%足らずである。
「国際油価が1バレル60ドル以上に回復すれば、地方製油企業の石油製品輸出枠も再び増やされる見込みだ」と前出の消息筋は言う。中国の石油製品輸出開放の流れは変わることはなく、今年の地方製油所の輸出枠が取り消されたのは、主要製油所に大きな衝撃を及ぼすことを避ける意味合いがある。「地方製油所の製油コストは主要製油所に比べて相対的に低く、現行の国際油価の下でも輸出で利益を出すことが出来る」と消息筋は述べた。
(中国能源網 9月1日)
石油製品の生産コストの高止まりと供給過剰のため、中国の石油製品輸出は赤字に陥っており、短期間の逆転は難しい。
「昨年初頭から今年6月末までの石油大手3社の石油製品輸出は累計700億元近い赤字になっている」と御三家の事情に詳しい消息筋は言う。この1年半で中国は7,000万トン余りの石油製品を輸出しており、1トン当たりの赤字は約1,000元に上る。御三家は石油製品輸出の9割を占めている。
「今年上半期には状況は相対的に好転し、石油製品輸出の1トン当たりの赤字は約500元になった」と前出の消息筋は指摘する。上半期の石油製品輸出価格は50ドル/バレル前後を維持したが、御三家の殆どで石油製品生産コストは60ドル/バレルを超えており、1バレル当たりの赤字は約10ドルになる。
今年7月末時点で中国は3期に分けて合計3,300万トン超の石油製品輸出枠を割り当てた。総量は昨年並みである。CNPC経済研究院のデータによると、今年の中国の石油製品純輸出量は4,000万トンを超える見込みである。
一方、国内の石油製品供給の過剰局面は改善されていない。CNPC経済研究院の予測では、今年の中国の石油製品需要量は約3.19億トン、前年比2.2%増になるが、石油製品生産量は3.6億トン、4.3%増になって、需要を4,043万トン上回る。製油能力の過剰はさらに進むことになる。
今年第3四半期にはCNPCの雲南製油所と中国海洋石油(CNOOC)の恵州製油所第2期が続々と稼動する。雲南は年産能力2,200万トンになり、恵州製油所第2期は製油能力を2,200万トン拡充し、年産100万トンのエチレンプラントを建設する。昨年末時点で中国の製油所の常減圧プラント能力は8.37億トンに達し、前年比4.12%の増加になっていた。
昨年の中国の石油製品輸出枠は4,510万トンであったが、実際には合計4,830万トンの石油製品が輸出され、前年比34%増になった。うちガソリン輸出は970万トン、前年比65%増加し、軽油輸出は1,540万トン、前年の2.5倍になった。
一方、原油輸入は大幅に増加し、今年上半期の原油輸入は合計2.12億トン、855万B/Dで、前年同期より13.8%増加した。しかしながら、原油輸入コストはやや上昇し、平均輸入価格は昨年2月の231.86ドル/トン(約32ドル/バレル)から、今年5月には363.02ドル/トン(約49.7ドル/バレル)になった。
2016年は山東の地方製油企業がガソリン輸出資格を得た1年目であった。輸出枠達成率は約61%、ガソリン・軽油の輸出量に占めるシェアは2%足らずである。
「国際油価が1バレル60ドル以上に回復すれば、地方製油企業の石油製品輸出枠も再び増やされる見込みだ」と前出の消息筋は言う。中国の石油製品輸出開放の流れは変わることはなく、今年の地方製油所の輸出枠が取り消されたのは、主要製油所に大きな衝撃を及ぼすことを避ける意味合いがある。「地方製油所の製油コストは主要製油所に比べて相対的に低く、現行の国際油価の下でも輸出で利益を出すことが出来る」と消息筋は述べた。
(中国能源網 9月1日)