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【エネルギー全般・政治経済】

燃油車から電気自動車への転換は大きな流れ 中国電気自動車百人会 (17/10/19)
2017/10/19
中国【エネルギー全般・政治経済】

 2017年下半期以来、各国は次々と燃油車(ガソリン・ディーゼル車)販売禁止の日程表を発表している。燃油車販売禁止をめぐって、中国はどこに向かうのだろうか。

 先日開催された中国電気自動車百人会常州フォーラムにおいて、百人会の陳清泰理事長は次のように表明した。自動車動力の電動化は今や大きな流れであり、燃油車から電気自動車への転換は必然的に重大な「創造的破壊」になる。電池、モーター、制御技術の絶え間ない進歩や、ピュアEVをベースとする自動車の情報化、コネクテッド化、インテリジェント化の成熟に伴い、遅くとも2025年には電気自動車のコストパフォーマンスは従来型燃油車を超える可能性もある。

 陳清泰理事長は電気自動車の行方について、次のような見方を示した。

 自動車市場はますます強大なパワーによって消費の転換が推し進められ、燃油車の急速な衰退と電気自動車の急速な拡大のプロセスに入る。

 辛国斌工業情報化部副部長は9月初めに、工業情報化部が従来型燃油車の生産と販売を停止する日程表の検討に入ったことを明らかにした。政府が燃油車販売禁止に向けて着手したことで、社会は長期的な見通しを立てることが出来る。エネルギー、インフラ、電動化や産業チェーンの転換、従業員の配置転換、政府の監督管理や法規といった面で整然と適切に準備しなければならない。このことは政府と企業の協調や平穏な推進につながる。この日程表は電気自動車企業にとって一種のインセンティブになり、一方、従来型燃油車企業にとっては一種の圧迫になる。

 電気自動車技術の進歩は2つの路線に従って進めることになる。1つ目の路線は、電池、モーター、制御システムであり、電気自動車の基本的な走行機能を保障する。もっともこれは電気自動車の「バージョン1.0」に過ぎない。もう1つの路線は、情報化、コネクテッド化、インテリジェント化である。日増しに高まるユーザーエクスペリエンスのニーズを満たし、最終的には自動運転を実現する。これは電気自動車が「バージョン2.0」「バージョン3.0」に進む上で不可欠である。「バージョン1.0」に止まっているのでは不十分である。一部の機関や学者は電気自動車を「タイヤの上のコンピューター」と定義しており、こうした視点は重視する価値がある。足場を固めるには上掲の2つの路線を並行させることが必要であり、電池、モーター、制御システムのような基礎問題を研究する一方で、情報化やインテリジェント化に向けた発展も重視しなければならない。今後の競争の核心は正にこの点にある。

 (澎湃新聞 10月19日)