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【エネルギー全般・政治経済】

中央企業の中国華融がロスネフチ株買収の主体である海南華信に出資 (18/03/12)
2018/3/12
中国【エネルギー全般・政治経済】

 昨年9月の中国華信能源有限公司(中国華信)のロスネフチ株買収を担当した海南華信国際控股份有限公司は中国華融資産管理股份有限公司(中国華融)からの出資を獲得している。

 新京報は工商登記簿から、海南華信が巨額の増資を行い、中国華融が資本参加していたことを発見した。

 海南華信の工商登記簿によると、同社の資本金は162.51億元から2017年12月20日に202.51億元に増え、株主には従来の上海華信国際集団有限公司と華信国合控股有限公司に、華融瑞通股権投資管理有限公司が新たに加わった。

 上海華信と華信国合は中国華信の傘下であり、一方。華融瑞通の背後には華融匯通資産管理有限公司があり、その背後には中国華融が透けて見える。

 中国華融は2012年9月に設立された財政部直轄の国有大型非銀行金融機関である。中国華融は1999年に設立された中国華融資産管理公司を前身とし、中国4大金融資産管理公司の1つである。2016年末時点の中国華融の総資産は1兆4,119.7億元、前年末に比べ62.9%増加し、中国最大の資産管理公司の地位をキープしている。

 中国華融の資本参加後、海南華信の株式構造は変化を示した。

 2018年2月13日、海南華信の資本金は202.51億元から、2017年12月20日には259.43億元に増え、同日、華信国合は海南華信から退出して、海南華信の株主は中国華信傘下の上海華信国際集団有限公司と中国華融傘下の華融瑞通になった。

 2017年9月、中国華信はGlencoreとQatar Investment Authorityのコンソーシアムとの間で、同コンソーシアムが保有するロスネフチの株式14.16%を中国華信が買収することで合意したと発表した。契約額は約91億ドル。この買収により、中国華信はロスネフチの第3位の株主になるととともに、年間4,200万トンと総埋蔵量26.7億toeの石油権益を獲得した。

 3月1日、財新網は、中国華信の会長である葉簡明が関係政部門から調査を受けていると報道したが、その後、財新網の報道は削除された。3月1日深夜、中国華信はこの報道は事実ではないと声明した。

 3月8日、合弁格付け機関である中誠信国際は、上海華信の信用評価をAAAからAA+に引き下げた。中誠信国際は、上海華信の負債率が高く、短期的な債務償還圧力が大きく、財新網等の関連報道も上海華信の直接、間接の資金調達能力に大きな影響を及ぼし、流動性圧力がさらに上昇すると表明した。

 中誠信国際は上海華信とも十分に疎通し、ロスネフチ株買収案件もすでに中国及びロシア政府の承認手続きが完了していることを理解しているが、上掲の影響によって進捗に延期が生じており、買収案件には一定の不確実性が存在するとしている。

 また、中誠信国際によると、2018年3月5日の時点で上海華信はすでに自己資金によって巨額の支払いを行っており、今後の買収案の対価の支払いは外からの融資に大きく依存することになる。取引が順調に進んでも、上海華信の債務圧力は大幅に上昇し、順調に進まない場合は、大きな投資損失を負担することになる。

 中国華信能源有限公司のHPによると、同社は集体制民営企業であり、エネルギーと金融を本業とする。同社は2002年に葉簡明氏が創設し、現在、管理集団公司2社、子会社の投資公司及びA株上場公司7社、各種人材3万人を擁している。

 2017年7月、中国華信は437億ドルの営業収入をもって、上海の民営企業として唯一フォーチュン500にランクインし、前年より7ランク上げて222位を占めた。中国華信は4年連続でフォーチュン500に入っている。

 (中国能源網 3月12日)