国家発展改革委員会(NDRC)が「再生可能エネルギー開発第11次５ヵ年計画」を公布し、2010年には、エネルギー消費の中の再生可能エネルギーの比率を、2005年よりも2.5ポイント高い10％とする目標を打ち出した。全国の再生可能エネルギーの年間利用量は標準炭換算で3億tceになる。なお、2005年の再生可能エネルギー開発利用総量（伝統的な方式によるバイオマスエネルギーを含まず）は1.66億tceで、同年の一次エネルギー総消費量の7.5％を占めていた。

　今回公布された計画は、再生可能エネルギー開発を、エネルギー需給ギャップの緩和、環境汚染の減少、農民収入の増加にとって重要な方法であると位置づけている。第11次５ヵ年規画期における再生可能エネルギー開発は、(1) 再生可能エネルギーの開発と利用を加速し、エネルギー構成における再生可能エネルギーの比率を高める、(2) 農村の無電人口の電力使用問題と農村の生活用燃料不足問題を解決する、(3) 再生可能エネルギー技術と産業を発展させ、再生可能エネルギー技術の研究開発能力及び産業化レベルを高める、ことを目標とする。

　再生可能エネルギーの5つの分野について、「再生可能エネルギー開発第11次５ヵ年計画」は具体的に次のような目標を打ち出している。

　水力発電分野：第11次５ヵ年規画期に水力発電設備容量を7,300万kW（うち揚水式発電所1,300万kW）増やす。2010年には全国水力発電設備容量を1.9億kWとし、在来型水力発電設備容量を全国の水力発電技術的開発可能容量の31％とする。

　バイオエネルギー：2010年には全国のバイオマス発電設備容量を550万kWとし、非穀物系エタノールの年間利用量を200万トン増やす。バイオディーゼルの年間利用量は20万トンとする。農村メタン発酵ガス池を4,000万戸とし、大型メタン発酵ガスプロジェクトを6,300件建設する。メタン発酵ガスの年間利用量を190億m3とする。農林バイオブリケット燃料の年間利用量を100万トンとする。バイオマスエネルギーの商用化と大規模な利用を基本的に実現する。バイオマスエネルギー設備の基幹メーカーを育成する。

　風力発電：第11次５ヵ年規画期に風力発電設備容量を約900万kW増やして、2010年には風力発電総設備容量を1,000万kWの大台に乗せる。風力発電完成機の生産能力を年産500万kWに高める。小型風力発電機の使用量を30万台、総容量を7.5万kWとし、設備生産能力を年産8,000台に高める。10万kW以上の大型風力発電所30ヶ所と100万kW級風力発電基地5ヶ所を重点的に建設する。甘粛、内蒙古と江蘇・浙江省沿海部における1,000万kW級風力発電基地建設の準備作業に取り組む。

　太陽エネルギー：2010年には太陽熱温水器の累計設置量を1.5億m2とし、ソーラー発電設備容量を30万kWとする。メガワット級の太陽光発電モデルプロジェクトと１万kW級の太陽熱発電の試験プロジェクトを実施する。

　農村再生可能エネルギー：2010年に全国のメタン発酵ガス池を4,000万戸とし、大規模飼育場のメタン発酵ガスプロジェクトを4,700ヶ所建設する。農村の家庭用メタン発酵ガス年間生産量を150億m3とする。農村地区の太陽熱温水器を5,000万m2とし、ソーラーカマドの保有量を100万台とする。

　また、「再生可能エネルギー開発第11次５ヵ年計画」は、再生可能エネルギー発電の電力網連携、売電価格や費用分担規定、助成金や優遇税制など、政策の完備と実行を提唱している。

　国の関係部門は、再生可能エネルギー開発専門基金の管理方法と使用の手引きを策定し、必要な財政措置を取って、再生可能エネルギー技術の研究開発、試験プロジェクトの建設、農村の再生可能エネルギー開発利用、資源評価、基準の制定や設備の国産化を支援する。国は再生可能エネルギーの開発と利用、技術研究開発や設備の生産に対して優遇税制を適用する。

　さらに、義務的な市場割当措置を取るとともに、政府投資事業や特許事業等の形で、持続的、安定的な再生可能エネルギー市場の育成を図る。電力網企業は再生可能エネルギー開発計画の中の電力事業配置に従って、再生可能エネルギー発電の電力網連携の研究や計画を進め、再生可能エネルギーによる電力が電力網を通して販売されるようにする。

石油販売企業は国の計画に従って、バイオエタノールやバイオディーゼルの市場計画を策定するとともに、技術や施設の面でもバイオ液体燃料を買い入れるための準備を進める。

　また、国家再生可能エネルギー研究開発管理機構を設け、既存の技術資源を統合し、技術並びに産業サービス体系を完備して、再生可能エネルギー技術の進歩と産業の発展を促進する。

　（中国証券報 3月19日）