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【石油・天然ガス】

天然ガスは中国のエネルギーの中で今後30年間需要の伸び率が最も高いエネルギーに (18/06/27)
2018/6/27
中国【石油・天然ガス】

 中国社会科学院の予測によると、今後30年間において、天然ガスは中国のエネルギーの中で需要の伸び率が最も高いエネルギーになる。2030年には中国の天然ガス需要は5,200億m3近くになり、2050年には8,000億m3を超える。

 先日北京で開かれたグローバルエネルギーセキュリティシンクタンクフォーラム第7回年次大会で中国社会科学院は《中国エネルギー展望2018〜2050》と題する研究レポートを発表した。同レポートによると、供給側構造改革と経済成長の道筋の変化がともに作用する形で、今後30年余りにおいて、中国のエネルギー需要構造に比較的大きな変化が発生する。2050年にはエネルギー需要の中で石炭の占める比率は40%以下に下がり、それとは対照的に天然ガス需要のシェアは大幅に上昇して20%以上になると予想される。

 《中国エネルギー展望2018〜2050》は天然ガスの応用分野について、今後の電力分野の増加量の多くを天然ガス発電が担うとの見方を示している。天然ガス発電は現在のピーク調整電源の位置づけから脱却して、主要な発電方式の1つになる。2020年には天然ガス発電電力量は約3,351億kWhに達し、2030年には約5,822億kWhに達する。さらに2050年には1兆kWhを突破することになろう。また、天然ガス発電の一部は熱供給にも用いられ、火力発電の熱供給の低下分を一定程度補完することになる。

 専門家は、今後の天然ガス需要の大幅な増加はエネルギーセキュリティにも新たな課題をもたらすとも指摘している。「天然ガスの生産、販売や輸送の技術経済的特性のため、その安定供給を確保するには大規模な関連インフラの建設が必要だ。しかも、天然ガスは石油、石炭や電力に比べて外からの衝撃や人為的な干渉を受けやすい」とグローバルエネルギーセキュリティシンクタンクフォーラムの劉強事務局長は述べ、「今後、天然ガスは中国のエネルギーセキュリティに影響を及ぼす主要な要素になる。そのため、天然ガス供給のエネルギーセキュリティ問題を真剣に研究することが求められる」と提言した。

 (中証網 6月27日)