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【石炭】

EUの中国産コークスに対する反ダンピング関税 コークス企業への影響は恐れるに足らず (08/03/24)
2008/3/25
中国【石炭】

 EUは17日、中国からのコークス輸入に対し5年間の反ダンピング課税の適用を決定したが、業界筋によると、中国のコークス輸出価格はすでに大幅に高騰しているため、コークス企業への実際の影響は軽微なものに過ぎない。

 反ダンピング課税が適用されるのは直径80mm超の塊状コークス(主に鋳造業で使用される)で、CIF価格がトン当たり197ユーロ以下の場合。しかし、中国のコークス輸出価格は2007年から大幅に上昇し、197ユーロを上回っている。

 2007年に中国コークス業界は7回にわたり値上げを行い、輸出価格も過去最高を更新している。現在、国内の製鉄用コークス価格はトン当たり2,000元(約185ユーロ)に達している。鋳造用コークスはそれよりも高く、EU所定の反ダンピング関税適用価格並みになっている。

 一方、中国政府もこれまでのコークス輸出奨励策を改め、2004年にはコークス輸出還付税を撤廃し、2006年末からはコークス輸出に5%の輸出税を課税するようになった。さらに、2007年5月21日にはコークス輸出税率を15%に引き上げ、今年からはさらに25%に引き上げた。

 現在のコークス国内価格に、輸出手数料、運賃、輸出税等を加算すると、EU向け輸出価格は1トン197ユーロをはるかに上回る。EUの今回の措置はコークスの供給過剰と低価格の中国産コークスのシェア拡大を防止するためであるが、実際には、輸出価格が197ユーロ以下に下がる可能性は低い。

 また、中国のコークス輸出総量の中で占める鋳造用コークスの割合は小さいので、その面でもEUの反ダンピング課税の影響は小さい。むしろ、輸出価格の上昇は中国のコークス輸出企業にとって有利である。

 (中国煤炭資源網 3月24日)