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中国
【省エネ・環境】

今年上半期の主要汚染物排出削減状況が公表される (2007/08/21)
2007/11/22
中国【省エネ・環境】

 国家環境保護総局、国家統計局、国家発展改革委員会は「2007年上半期各省・自治区・直轄市主要汚染物排出量指標公報」を発表した。今年上半期の二酸化硫黄総排出量は前年同期比0.88%減少し、化学的酸素要求量(COD)は同0.24%増加した。

 31の省・自治区・直轄市のうち、12の省・自治区・直轄市で二酸化硫黄とCODが前年同期に比べ減少した。二酸化硫黄の減少幅が最も大きかったのは北京で、13.06%に上った。CODの減少幅が最も大きかったのは浙江省で2.48%であった。しかし、9つの省・自治区では、二酸化硫黄とCODともに前年同期に比べ増加した。

 電力事業の二酸化硫黄排出削減対策は顕著な成果を上げ、火力発電が18.3%増加したにもかかわらず、二酸化硫黄排出量は5.2%減少した。新規の石炭火力発電ユニットに対する脱硫施設の同時設置の比率が82.5%に向上したことや、既存の石炭火力ユニットの脱硫施設設置が進んだこと、小型火力発電の閉鎖が進展したことなど、政府の一連の二酸化硫黄削減措置は成果を上げている。

 上半期のGDP成長率が11.5%となった中で、CODの伸びは前年同期比3.5ポイント低下した。その原因として、上半期に都市の汚水処理能力が拡大したこと、重点鉱業汚染管理プロジェクトが着実に進展していること、高汚染企業の構造調整が進んだことが挙げられる。

 しかし、成長パターンが依然として粗放型であること、環境法制が不健全であること、排出削減への投資が不足していること、環境監督管理能力が弱いことなど、まだまだ多くの問題が存在しており、排出削減の行方はなお厳しいものがある。

 下半期の任務は、「省エネ・排出削減総合対策方案」を具体化するよう、以下に述べる対策に重点的に取り組む必要がある。

(1) 環境評価を各省クラス政府指導幹部の総合業績を評価する上で重要な根拠とする「主要汚染物総量排出削減業績評価弁法」、主要汚染物排出量の計算方法を統一する「主要汚染物総量排出削減統計弁法」、汚染排出企業が環境保護部門に実際の汚染状況を正しく申告するよう義務付ける「主要汚染物総量排出削減監視計測弁法」を制定し、ハード面のシステム整備を加速する。

(2) 環境評価制度と「三同時」制度(工場の建設、拡張など本体工事と同時に環境保護施設の設計、施工、運転を行うこと)を厳格に適用して、汚染の拡大を規制する。

(3) 汚染管理プロジェクトの建設と安定した運営を督促する。火力発電、石油化学、鉄鋼、非鉄金属、セメントなど大気汚染物の排出削減を強化する。

(4) 小型火力発電淘汰などの政策により、構造調整でも打開を図る。

(5) 「水汚染防止法」「大気汚染防止法」の改訂や、「環境影響評価計画条例」「二酸化硫黄排出汚染取引管理弁法」等の法規の制定を速やかに進める。

(6) 製紙業の長期・効率的な環境管理メカニズムなど、専門監督検査を徹底する。

(国家環境保護総局ウェブサイト 8月21日)