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【新エネルギー】

中国海洋石油が山東省威海市に世界最大の海上風力発電所を建設 (08/03/31)
2008/3/31
中国【新エネルギー】

 中国海洋石油(CNOOC)が山東省威海市の沖合に世界最大級の110万kW風力発電所を建設する。総投資額210億元、設備容量110万kW、今年10月に着工し、10年以内に完成する計画。CNOOCは今月初め、海上風力発電所建設の準備として、威海市北部沖合に高134mの海上計測塔を建設し、気象など風力発電所建設に関する様々な計測や資料収集を行っている。

 中国3大石油メジャーの1つであるCNOOCは近年、新エネルギーや再生可能エネルギー分野においても展開を図っており、海上風力発電開発はCNOOCにとって再生可能エネルギー開発に参入する効果的な道筋になる。CNOOCは早くも2006年6月に威海市政府との間で協力協定に調印し、威海ハイテクパークを基地として、威海市沖合に100万kWクラスの海上風力発電所を建設するよう決定していた。

 CNOOCの100万kW級海上風力発電所は世界最大の規模になる。計画容量110万kWのうち、海上が100万kW、陸上が10万kWになる。すべて完成すると、年間発電量は25億kWhに上り、年間120万tce(標準炭換算トン)の石炭を節約し、二酸化炭素を188万トン、二酸化硫黄を2.2万トン削減することが可能になる。

 中国の東部沿海の開発可能な海上風力発電資源は7.5億kWに達しており、資源の潜在力が大きいだけでなく、電力市場の条件も整っている。但し、海上風力発電は陸上に比べて技術的に難しく、とりわけ中国の東部沿海は台風の影響も受けるため、建設条件が複雑になり、建設コストは陸上風力発電所の2〜3倍に跳ね上がる

 そういったコストと技術上の制約もあって、世界の海上風力発電設備容量はわずか90万kWしかない。また、技術が成熟した海上専用のメガワット級風力発電機は未だにない。現在使用されている海上風力発電機は陸上風力発電機を改造したものに過ぎず、陸上と異なる海上の複雑な条件の下では故障率も高くなる。

 しかし、昨年発表された中国エネルギー白書でも明記されているように、中国の非在来型エネルギーの開発と利用はまだ初期段階にあり、再生可能エネルギーの開発と利用も着手されたばかりであるが、それゆえ、エネルギー開発の潜在力は巨大である。
 
 (中国電力網 3月31日)