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世界の石炭需要、24〜25年は横ばい 電力需要増加により IEA予測
2024/7/28
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 国際エネルギー機関(IEA)は7月24日付のレポートで、2024年と2025年の世界の石炭需要がほぼ横ばいとなるとの見通しを示した。一部主要国での電力需要の増加は、太陽光や風力発電の急速な拡大により相殺されるとしている。

 2023年の世界の石炭消費量は、中国とインドの大幅な伸びを背景に2.6%増加し、過去最高を記録した。

 IEAのエネルギー市場・安全保障局長の貞森恵祐氏は「現在の政策状況と市場動向を踏まえれば、世界の石炭需要は2025年までおおむね横ばいとなる可能性が高い」との見方を示した。

 同氏はまた、「太陽光と風力の急速な導入が続くことと、中国の水力発電の回復が相まって、石炭の使用に大きな圧力がかかっている」と指摘する一方で、「世界の石炭需要の主な原動力は電力部門であり、いくつかの主要経済国では電力消費が非常に力強く伸びている。電力需要がこれほど急速に伸びていなければ、今年の世界の石炭使用量は減少していただろう。現在進行中の構造的傾向は、世界の石炭需要が転換点を迎え、まもなく減少し始めることを意味している」と述べた。

 中国では太陽光・風力発電の導入により石炭消費の伸びが鈍化しているが、今年の電力需要は6.5%増加すると予測されており、石炭消費が減少する可能性は低いとしている。

 

(IEA 7月24日)