オーストラリア連邦政府のクリス・ボーウェン気候変動・エネルギー相は9月13日、「2024年国家水素戦略」を発表した。前保守連合政権の下で初めて公表した2019年版を更新したもので、以下4つの目標と34の行動計画を掲げ、水素の生産・輸出で世界市場をリードし、「再エネ大国」を目指す方針。

　?   供給：国際価格競争力のある水素産業の育成

　?   需要・脱炭素化：水素需要が見込まれる分野の特定と支援

　?   地域社会への貢献：地域社会の理解促進と恩恵享受

　?   貿易・投資・協業：貿易規模拡大、最適なパートナーとのビジネス

　豪政府は先般、2024-2025年度予算案で、総額227億豪ドルの新産業政策「オーストラリアで作られる未来」を発表し、水素1キログラム当たり2豪ドルの税制優遇措置を明らかにした。

　オーストラリアは石炭や天然ガスの主要輸出国だが、政府によると、世界的な温室効果ガス削減の流れを受けて、主なエネルギーの世界需要が2050年までに石炭74％、原油43％、天然ガス42％と、それぞれ減少する見通しであるとしている。一方、水素の世界市場は2050年までに1.4兆米ドルまで拡大すると予測している。こうした状況を背景に、オーストラリアは水素を資源輸出の新たな主力商品と位置づける方針を改めて示している。

オーストラリア「2024年国家水素戦略」

National Hydrogen Strategy 2024（Department of Climate Change, Energy, the Environment and Water, Australian Government）

New National Hydrogen Strategy sets up Australia as renewable superpower（The Hon Chris Bowen MP, Minister of Climate Change and Energy）

（オーストラリア「2024年国家水素戦略」　9月13日）