ロイター（Reuters）の4月10日付記事は、米国のトランプ政権がデンマーク自治領グリーンランドの併合に意欲を見せる中、シリコンバレーの一部ハイテク投資家が、この島を「フリーダムシティ」（企業規制が最小限の自由至上主義のユートピアの建設地）として推進しようと動き出していると報じた。

　事情に詳しい関係者3人がロイターに明らかにしたところによると、議論はまだ初期段階だが、駐デンマーク大使に指名されたケン・ハウリー氏はこの構想を真剣に受け止めているという。同氏は数カ月以内に議会で承認され、グリーンランド買収交渉を主導するとみられている。

　ハウリー氏は、規制の少ない都市の推進派として知られるハイテク界の大富豪ピーター・ティール氏とベンチャーキャピタル会社を共同設立したことがある。また、ハウリー氏はトランプ氏の側近でもあるイーロン・マスク氏の長年の友人でもあるという。

　ある関係者は、この構想には、人工知能（AI）ハブの建設のほか、自律走行車の導入、宇宙船発射場、超小型原子炉、高速鉄道の拠点整備が含まれる可能性があるとしている。

（Reuters　4月10日）