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吉林省白城「中国北方水素バレー」2035年までに累計2000億元投資 (19/07/12)
2019/7/12
中国【新エネルギー】

 7月9日、吉林省白城市共産党委員会と白城市人民政府主催の第1回「中国北方水素バレー」産業発展高層交流会が開かれ、一連の事業契約が調印された。吉林省の「エネルギー革命を推進し北方水素バレーを創出する」という水素エネルギー戦略はすでに起動している。

 吉林省白城市は風力発電と太陽光発電の新エネルギーによる電解水素製造を主要技術路線として、水素製造、水素貯蔵、水素輸送、水素利用のフル産業チェーンの延伸と形成を進めている。生産から応用に到るまで全プロセスはゼロエミッション、ゼロ汚染であり、しかもコストは低く、化石エネルギーよりも経済性に優れる。

 白城市の李明偉市長によると、白城市は風力や太陽光など豊かなクリーン・エネルギーに立脚して、2018年4月から「中国北方水素バレー」の建設計画を進め、「白城市新エネルギーと水素エネルギー産業発展計画」を立案、向こう15年間における新エネルギー電力の開発、水素エネルギーの生産・貯蔵・輸送や水素エネルギーの利用などの面で、指導方針、発展目標、重点任務並びに経済性指標を策定した。

 白城市は吉林省でも風力発電開発が最も早かった地区である。中国の第1期1000万kW風力発電基地であり、東北唯一の太陽光発電応用フロントランナー基地でもある。白城市のフル負荷の発電能力は200億kWh、2018年の発電電力量は140億kWhに達しているが、現地の受入はわずか48億kWhであり、90億kWh余りを市外に送電した。未利用の発電能力は60億kWhに上る。

 白城市は長春市と協力し、長春の中国一汽集団解放汽車の製造上の優位を生かして、「白城−長春」吉林西部水素エネルギー回廊を創出しようとしている。長白高速道路に水素サービスステーションを布設し、水素エネルギーバスの専用路線と市バスを開設し、水素エネルギー車両の実証運行を展開する。さらに水素エネルギー高速道路、水素エネルギーサービスエリア、水素エネルギー特色鎮(小都市)を建設して、水素エネルギーインフラと燃料電池車の協調的な発展を促進し、吉林省全体の自動車産業の発展にも広げる。2035年には水素エネルギー自動車の生産能力は10万台級に達する見通しである。

 白城市の水素エネルギー産業発展計画によると、2035年までの累計投資額は2,000億元に達する。風力発電設備は2,000万kW、太陽光発電設備は1,500万kW、年間水素製造能力は100万トンに達する。生産高は2,000億元近くに上り、5万人以上の雇用を創出する。水素エネルギーの商業化と大規模化に向けた発展と応用をリードし、国際的影響力を備える新エネルギーと水素エネルギーの地域的産業クラスターを形成する。
 
 (新華網 7月12日)