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中国
【石油・天然ガス】

米国は中国市場をロシアに譲り中国との共同天然ガス事業も停止 (19/08/01)
2019/8/1
中国【石油・天然ガス】

 中国は2018年に世界最大の天然ガス輸入国になり、今も天然ガス輸入を増やしている。国家発展改革委員会の発表によると、中国の2019年上半期の天然ガス消費量は10%増加した。中国は現在世界第2位のLNG輸入国であるが、2022年には世界最大の輸入国になると予想される。

 しかしながら、米国は中国という巨大な天然ガス市場を大事にする気はない。

 トランプ大統領の気まぐれのため、中国はサウジアラビア、カタールやUAEからの天然ガスを米国からの供給に取って代わらせようしている。しかし、ロシアのスプートニク通信によると、ロシアの「シベリアの力」パイプラインの開通により、こうした状況にも変化が生じることになる。ロシアの天然ガスは価格面でさらに魅力的だからである。

 Wood Mackenzieの見方によると、中国が米国のLNGと石油の購入を一時見合わせていることで、ロシアのエネルギー産業が最も利益を受けることになる。

 Thomson Reuters Eikonの海運データによると、2019年3月と4月に米国から中国へ向かったLNGタンカーは1隻もなかった。1月と2月は2隻だけであった。2018年1〜4月は中国市場に向かったタンカーは14隻に上っていた。

 米国は中国市場をロシアに譲った上で、中国とのLNG事業も停止した。

 米国報道によると、アラスカ州と中国が調印したLNG開発・販売計画もすでに破綻している。この計画はアラスカ州のビル・ウォーカー前知事が推し進め、2017年に中国石油化工(SINOPEC)、中国投資有限責任公司(CIC)並びに中国銀行と協議書に調印していた。しかし、Alaska Gasline Development Corp.(AGDC)のJoe Dubler暫定社長は、この協議はすでに存在していないと指摘する。アラスカ州現知事のマイク・ダンリービーが事業リスクに不安を抱いたからである。

 この協議は中国が応分の株式と引き換えに当該事業の採掘量の75%を買い取るとともに必要な融資を提供するというものであった。

 中国は今や世界最大の天然ガス輸入国であり、世界最大のLNG輸入国になる日もそう遠くはない。

 国際エネルギー機関(IEA)及びWood Mackenzieの予測では、2022年には中国は日本を抜いて世界最大のLNG輸入国になる。その頃には日本のLNG輸入量は2018年比で12%減少して7,280万トンになり、一方、中国の輸入量は37.5%増加して7,410万トンになる。

 中国の天然ガス輸入が急増する中、米国が中国との共同天然ガス事業を放棄することは全く割に合わない。

 (中国能源網 8月1日)