米国CNBCによると、ここ数ヵ月、サウジアラビアから中国への石油輸出が顕著に増加している。TankerTrackers.comの海運統計によると、この1年でサウジアラビアの対中原油輸出は倍増した。一方、米国への輸出量は3分の2近く減少した。

　7月のサウジアラビアの対中石油輸出は180万B/Dに増えた。昨年8月はわずか92.2万B/Dであった。これとは対照的に2019年7月の対米原油輸出は26.2万B/D、昨年8月のわずか38％にまで減った。

　サウジアラビアの対中原油輸出と対米輸出が逆転した背景には米国の対イラン制裁があるには違いないが、別の一面では、アジア市場がサウジアラビアにとって将来の長期的ターゲットになっていることもある。サウジアラビアは米国市場を失うことを懸念するには及ばず、中国が輸入量の拡大を求める場合、輸出量を増やすことで顧客のニーズを満たすことになり、そのためアジア市場において徐々に足場を固めている。また、アジアの下流の生産能力をめぐって中東産油国の競争が徐々に流れになりつつある。サウジアラムコがインドのリライアンス・インダストリーズの株式20％を取得することも、サウジアラビアのこうした戦略を証明するものになる。

　（中国石油新聞中心 10月21日）