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2019年1〜9月期の中国の石炭輸入は2.5億トンに達し、前年同期に比べ2,100万トン増加した。現在、輸入枠の執行度は弱まっており、その上、具体的な制限措置も未だ打ち出されていない。輸入枠を使い切った港湾や需要家は新たな枠を取得している。通関時間は長くなったが、未だ停止されたわけではない。現行のペースだと、今年の中国の石炭輸入量は3.4億トンに達する見通しであり、前年に比べ6,000万トン増加する。大雑把な統計であるが、沿海地区が第3四半期に海上から移入した石炭の中で輸入炭は29.4%を占めた。国内市場に対する輸入炭の影響が深まっており、このままで推移すると、石炭価格下落問題を引き起こすだけでなく、国内の炭鉱・道路・港湾・航路・電力などの円滑な流れにも影響し、場合によっては国内石炭市場の健全な発展にさえも影響が及ぶ。
今年上半期の市況を見る限りでは、輸入炭は国内の石炭資源を補完しつつ、国内炭の円滑な運輸に影響することはなかった。上半期の沿海地区の石炭輸入は約1.15億トン、前年同期比400万トンの増加に止まり、沿海市場に対する輸入炭の影響は大きなものではなかった。中国沿海地区が上半期に海上から移入した石炭の中で輸入炭の占める割合は24.2%であった。港湾の石炭価格の変化から見ても、市場原理に適合していた。
しかし、下半期に入ると石炭市況と運輸状況は急転直下になった。夏季の石炭需要のピークにも関わらず、国内炭の需要は振るわず、港湾発送量はマイナス成長になった。石炭価格も7月初頭の614元/トンから現在570元/トンに下がっている。その最大の要因は大量に流れ込む輸入炭にある。第3四半期の沿海地区の石炭輸入は約7,200万トンで、海上から移入した石炭の29.4%を占めた。輸入炭のシェアは大幅に上昇している。
中国は輸入炭を安定供給と価格調整の重要な手駒として位置付け、動態的な調整の仕組みを講じている。石炭価格が大幅に上昇したときには適度に輸入を緩め、下落した時には引き締めるのである。また、国内の石炭の需要期において市場が逼迫した時には輸入を緩め、供給が需要を上回る時には適度に輸入を制限することで、国内炭市況の安定を確保する。然るに10月に入ってから輸入炭の影響が深まり、石炭価格に影響するだけでなく、より深刻なことに沿海市場にもたらす供給過剰圧力を拡大させ、炭鉱・道路・港湾・航路・電力など各方面の生産と運輸に休眠状況が発生し、鉄道と港湾の輸送は阻害された。需要期の到来が近づく中でも、港湾の石炭在庫過剰さえ発生しており、供給側構造改革のボーナス流失を間接的にもたらしている。
国内の石炭の生産・輸送・需要の円滑な流れを維持して石炭市場を安定させ、正常な輸送を回復するためには、輸入枠の適用を厳正にするかもしくは具体的な措置を打ち出さなければならない。第4四半期には月間輸入量を2,500万トン以内に抑制して、通年の輸入量を3.25億トン以内に抑制すべきである。また、来年は石炭輸入を引き続き3億トン以内に抑制する。その他にも、もう1つの重要な問題を考慮しなければならない。すなわち、輸入炭に対する依存性が強過ぎると容易に外国からの掣肘を受けることになり、もし(外国が中国への)石炭輸出を制限すると、想像に堪えない結果がもたらされるということである。
(中国能源網 10月28日)