1. HOME
  2. 中国 【石油・天然ガス】

中国
【石油・天然ガス】

唐山LNG事業が発展改革委員会から承認 曹妃甸港がLNG受入能力で中国最大の港湾に (19/11/07)
2019/11/7
中国【石油・天然ガス】

 国家発展改革委員会は河北省天然ガス生産・供給・貯蔵・販売体系建設重大プロジェクトになる曹妃甸新天液化天然気有限公司の唐山LNG事業並びに付帯パイプライン事業(曹妃甸−宝坻)を承認した。

 唐山LNG事業は曹妃甸港物流パークに建設され、LNG受入能力は1,200万トン/年に上る。20万m3のLNGタンク20基及びガス化施設も建設する。建設は3期に分けて進められ、2022年に完成する第1期では、1ヵ所のバースと4基のLNGタンク及びガス化、パイプライン等の付帯施設を建設する。年間700万トン(98億m3)のガス供給能力を構築し、総投資額は253.9億元に上る。

 曹妃甸−宝坻間のパイプライン事業は、唐山LNGステーションを起点とし、唐山市曹妃甸区と豊南区、天津市寧河区と宝坻区を経て、終点は宝坻分岐ステーションまで全長176.18キロ、パイプの直径1,422mm、圧力10MPa、年間ガス輸送量112億m3、1日当たり最大ガス輸送能力1.6億m3、事業総投資額64.2億元。

 唐山LNG事業は環渤海地区の建設中及び計画中のLNGターミナル事業の中で受入能力が最も大きい事業になり、これにより曹妃甸港は中国でLNG受入能力が最も大きい港湾になる。また、付帯パイプラインは中露パイプラインと同等の1,422mm管を採用し、中国で輸送能力が最も大きいパイプラインになる。

 唐山LNG事業は北京・天津・河北地区、中でも天然ガス需要が急増している河北省に重点を置いて供給する。また、中露パイプライン東線や陝京パイプライン等のガス源と相互の連携・融通を行うことで、山西、内蒙古、陝西、河南など複数の内陸省にも波及させ、国産ガス、炭層ガス及び輸入パイプラインガスとの間で相互補完とピーク調整を実現する。

 唐山LNG事業は次のような意義を有する。

 1. 中国北方の天然ガス供給保障能力と発言権の増強

 唐山LNG事業が完成すると、曹妃甸と天津港合わせて4,000万トン前後のLNG受入能力と貯蔵能力を形成することが可能になり、中国北方の天然ガス緊急ピーク調整のセンターになるとともに、地域的な取引センターを構築し、中国のLNG価格指数(曹妃甸指数又は雄安指数)を創出することで、中国における発言権を獲得し、延いては国際LNG市場価格にも影響を及ぼす。

 2. 河北省の多元的ガス源による供給保障体系の速やかな構築

 唐山LNG事業及び付帯パイプライン事業により、2022年には少なくとも90億m3/年のガス供給能力を形成する。全て竣工すると、168億m3/年のガス供給能力を形成して、河北省のガス源を保障する上で発言権と調節能力を大幅に強める。省全体の天然ガスの安全・安定供給を根本から実現し、エネルギー構造の最適化と大気汚染防止を強力に促進する。

 3. 唐山港の転換と地域的な成長極の育成

 2件の事業の総投資額は約320億元に上り、唐山市乃至は河北省全体の投資、成長、雇用の安定や財力の増大に対して強力な牽引効果を発揮するのみならず、長期的には曹妃甸港の港湾機能の強化と完備、天然ガスの川下の産業チェーンの急速な開発、LNGを利用する冷熱関連産業の発展などにとっても重要な契機になる。唐山港の転換とグレードアップや大型現代化港湾の建設を促進する上で有効である。

 (中国能源網 11月7日)