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【原子力】

中核集団を筆頭に中国海水ウラン抽出創新連盟が発足 (19/11/12)
2019/11/12
中国【原子力】

 中国核工業集団(中核集団)が事業化の主体、顧客及び筆頭発起人となる形で中国海水ウラン抽出創新連盟が先日北京に発足した。中核集団はR&D投資を拡大し、各加盟組織とともに海水ウラン抽出の実際の応用を制約する鍵となる問題の研究を展開して、海水ウラン抽出事業化のボトルネックを解決する。

 海水中のウラン鉱資源は「無尽蔵」と形容される。海水中のウラン含有量は約45億トンに上り、陸上の確認済みウラン埋蔵量の1,000倍にもなる。しかしながら、海水中のウラン濃度は極めて低く、1トン当たりわずか0.0033グラムに過ぎない。低濃度のウランを海水中から抽出することは最も主要な技術的難題である。第2に、他の大量の妨害イオンが存在する中でいかにして選択的にウランを抽出するかも小さからぬ難題になる。第3に、コスト問題である。1キログラムのウランを抽出するコストが1,700ドル以下になってようやく大規模な応用を実現できることは国際間でも認知されている。

 中国は海水ウラン抽出に関して吸着材料の開発や設備製造などの面ですでに大きな進展を遂げているが、真の意味の商業化開発にはまだまだ長い道のりが必要である。

 中国海水ウラン抽出創新連盟は中核集団傘下の中国鈾業など科学研究院・研究所に依拠しつつ、国内の当該分野の20の研究機関及び大学と連携する。また、中国工程院の陳念念、石碧、柴之芳、彭蘇萍、費維揚の5名の院士を高級顧問として招聘する。

 中国海水ウラン抽出創新連盟は次の作業を重点的に進める。

  • 海水ウラン抽出の実際の応用を制約する鍵となる問題の研究
  • 海水ウラン抽出の事業化に向けた技術及び製品の標準体系の制定、技術及び経済評価の展開
  • 各加盟機関と提携するコアテクノロジー及び新製品の速やかな開発
  • 海水ウラン抽出の研究プラットフォームと実験基地の建設
  • 国家級研究事業の共同申請、省クラス政府級、中央省庁級及び国家級重点実験室の共同申請
  • 院士及び専門家の「知恵袋」としての役割を十分に発揮するコンサルティング及び技術サポート

 (澎湃新聞 11月12日)